自分史を自費出版する

自費出版というと、何か自信のある作品があり、それが出版社に採用してもらえない小説家や写真家がやむを得ずとる手段のようなイメージがあるかもしれません。しかし、実態はそこまでシリアスなものばかりではありません。

 

自費出版の中でも点数の多いジャンルは、「自分史」です。

自分史は、自伝のよりライトな書きもの、といった位置付けにあるものです。一昔前だと、自分の来歴、人生を振り返って書物にするというのは、作家でなければ政治家、スポーツ選手など、ほかのことで成功した人、多くの人間がその人の人生を知りたいと思うような存在に許された特権的な行為、という風潮があったかもしれません。

しかし音楽のインディーズ(自主リリース)の興隆に顕著なように、「作品を発表する」ことの敷居は下がっていく傾向にあります。

自分史を発表するということに関しても、成功者が自分の来歴を語るところから始まり、企業の経営者や経済的に余裕のある人にも普及していきました。

今では経済的負担の軽減化が進んだ結果、何か特別、名を残しているような人でなくても、卒業文集や卒業論文のような気分で、例えば還暦のタイミングや退職のタイミングで自分史を自費出版するというのはよくあるシチュエーションなのです。

 

何か特定のジャンルや業界で活躍した人の自分史の方が、そうではない比較的おだやかな人生を送ってきた人のそれよりも面白い、と言い切れるものではありませんよね。波乱万丈であれ、一貫して平和であっても、人の来歴はそれだけで興味深いものではないでしょうか。

それに、家族にとっては偉い他人より身近な家族の人生の方が興味深いということもあります。祖父や祖母の来歴を知りたいと思う子供は多いと思います。

自分史の出版は、自分だけでなく、小さな家族へのプレゼントにもなるでしょう。

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